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個人事業主が年の途中でその事業を法人成りされた時に気をつけたい必要経費の特例のポイント

2019年12月17日更新

 原則として、その年において債務の確定した金額がその年の必要経費となりますが、事業を廃止した年分における必要経費の考え方には特例(所得税法63条)があります。一例として、①一括減価償却資産の必要経費算入、②法人へ引き継いだ使用人への退職金相当額、③繰延消費税額等の処理、④事業税の見込控除などです。

 主な特例ですが、
①法人成りした場合の一括償却資産の必要経費算入
法人成りの場合には、事業が廃止され、その事業を承継する人もおりませんので、一括償却資産の取得価額のうち必要経費に算入されていない部分は、全て廃業した日の属する年分の事業所得の必要経費に算入します。

②法人成りにより使用人を引き継いだ新設法人に支払う退職金相当額
個人事業主が退職給与規程等を有し、退職給与の要支給額の計算が適正に行われている場合において、個人事業当時の退職金相当額を新設法人に支払う場合は、必要経費に算入することができます。

③事業を廃業した場合の繰延消費税額等の処理
事業承継が行われない事業の廃止の場合には、繰延消費税額等の金額を事業を廃止した日の属する年分の必要経費に算入しなければ、その後の必要経費算入の機会が失われることから、事業を廃止した日以後の期間に対応する繰延消費税額等の金額は、事業を廃止した日の属する年分の必要経費に算入します。

そして、忘れやすいのが、
④事業を廃止した年分の所得につき課税される事業税の見込控除
原則としまして、賦課課税方式(事業税など)による租税のうち納期が分割して定められている税額、各納期の税額をそれぞれ納期の開始の日又は実際に納付した日の属する年分の必要経費に算入することができるとなっていますが、事業税を課税される事業を営む者が当該事業を廃止した場合における当該廃止した年分の所得につき課税される事業税については、当該事業税の課税見込額は当該年分の当該事業に係る所得の金額の計算上必要経費に算入することができます。
なお、事業廃止後に生じた必要経費を事業廃止年分で計上するには、所得税法上では債務確定後に更正の請求の手続きをとることとなります。この場合の手続き期限は、原則として、事実が生じた日の翌日から2ヶ月以内となっています。

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